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反抗期

最近ふと考えたことなんだけれど、”反抗期”というものはみなさん経験されたことはありますか?そう、中学生あたりに多くの子どもが経験するいわゆる第2反抗期です。

私自身も中学生のころに経験をしました。ただ、他の人と違うかもしれないのは、反抗する対象が私の父母ではなく、同居していた祖父母に向かっていたことです。父母に対しては反抗らしい反抗はした記憶がないんですね。

うちの祖父母について当時の私自身の印象を簡単に表記すると

祖父・・昔ながらの考えを持つ頑固者。基本的に女性蔑視の考えを持つ悪者。
祖母・・孫を甘やかしすぎ。正直うっとうしい。

という風に思っていました。祖父の言うことに対しては終始イライラ態度を見せ、時には言い返し、祖母に関しては自身への干渉を冷たくあしらう、そんな態度をとっていました。


あれから15年。今では祖母に対しては全くわだかまりもなく普通に接していますが、祖父に対してはなんとなく反抗していた当時とは違って明確に反抗するようになったというか、反抗の質が変わったかなって思います。昔ながらの女性蔑視の考え方を頑固に貫き通すことで、自分の母親がどれだけいやな思いをしてきたかを分かっているつもりなので、やはりそういう態度をとる祖父は正直今でも好きになれません。ただ、最初から感情的に接するということはなくなったかなと思います。


そんな反抗期を経験してきた私ですがみなさんはどうでしたか?

以前、高垣忠一郎さんの著書を読んだ時に、「第2次反抗期は親からの独立戦争だ」と書いてあったのみて、非常にすっきりと納得したことを覚えています。親への依存なしには生きてこれなかったそれまでの自分にさよならして、反抗することで親に依存することでなく自分自身の足で立ち生きていくといういわゆる親への決別の営み。そうした自立のプロセスはだれにとっても必要不可欠な営みであると思います。


反抗期ということばは巷では誰もが知るところとなっているので、中学生あたりにこどもが反抗してきたらたいていの親御さんは「あっ、うちの子どももついに反抗期かな」と考えるのは普通だと思います。しかし、その反抗期の意味にまで思いを馳せる親御さんはどれだけいるのでしょうか?


実際に子どもの反抗に直面した際に、「ああ反抗期だからしょうがない」とその反抗に対してまともにとり合わなかったり、受け流すだけの親御さんも多いのではないでしょうか。それはしょうがない面が多々あると思います。人生経験の短い子どもの反抗というのは不合理で感情的であることが多いからです。そうした反抗に対してまともにとり合っていては親御さんが振り回されるだけのことも多いでしょう。

しかし、私は反抗期というものはただ単に「反抗期だから」の一言で済ましてはいけないような大事なものだと思うのです。


私が中学生の頃祖父に対して感じた嫌悪感。母親に対してなにかと「女だから」と蔑視する発言を繰り返してきた祖父に対して、人生経験の短い中学生なりにそれが是認してよいものだとは思えず、反抗してきました。当時の私なりに正義感が強かったのだと思います。

もし今祖父が母親に対して蔑視する発言をしたのであれば、当時ほど率直に反抗はできないでしょう。それがいいことなのかどうかはわかりませんが、私自身30近くになって、祖父がそうした認識を持ってしまったことに対して、蔑視自体は認められないとはしても「祖父が生きてきた時代背景を考えるとしょうがないかな」と理解できないこともなくなってしまったからです。


そうはいっても、祖父の女性蔑視の認識に対しては今でも認められないという事実は変わりありませんし、できることならその認識を変えていってほしいし、この社会の中で同じように女性を蔑視するような認識を持っている人がいるのであれば、改善していってほしいと思います。

こうした私自身の経験から考えてみても、こどもの反抗期というものは、未熟で不合理ながらも親からの自立という意味を持っているだけにとどまらず、その時の社会に対する率直な異議申し立てをしているというふうにもとらえられないでしょうか。

そう考えた時に、親が子どもの反抗に直面した際に必要なのは、子どもを自分とは違う人格をもったひとりの人間として対等に接することと同時に、子どもの訴えに耳を傾け、自分自身と今の社会の在り方に対してもう一度再考するチャンスなんだという、そうした認識ではないでしょうか。


そうはいっても、反抗期の捉え方に対して一概に「親が悪い」「親の認識をただせ」と私自身言いたいわけではないのです。

現代の企業社会の利潤第一の有害な思想というのは、否が応でも私たちの日常生活の中に入り込み、それは家庭の中であっても例外ではありません。そのためそうした思想にとりつかれた親が子どもに対して不誠実であったり、素直になれなかったりすることはしょうがないことであるとは思うのです。

ただ子どもとって、そうした社会のしがらみに束縛される理由は何一つないのです。間違った思想や認識には反抗する。親にとっては「なにもわかってないくせに」「しょうがないだろ!」と思うこともあるかもしれません。

そんなときに、そうした子どもの反抗をただうっとうしいと思うのか、それとも先程書いたように、もう一度自分の人生と社会の在り方について問い直すきっかけと捉えるのか。そのどちらを選択するかでこの家庭とこの社会の将来が大きく左右される、そんな気がするのです。

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