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若者と政治・選挙①

先日、国会が閉会し、参議院選挙の日程が確定しました。今回の選挙を迎えるにあたって、若者と政治・選挙について考える良い機会だと思い、どれだけまとめられるかはわからないけれど、これから一ヵ月の間、このテーマについて考えてみたいと思います。

 まず、最初に、若者と政治・選挙ということばから連想されるもの。それは”無関心”ということばを想像される方が多いのではないでしょうか。

 若者が政治・選挙に対して無関心であるということは、日常のざまざまな場面であらゆる人に対して指摘されており、当然のように受け止められています。

 現に2009年に行われた総選挙。20~24歳の投票率は46.66%、25~29歳でも52.13%でした。対する60~64歳は83.36%。65~69歳は85.04%と高い投票率を示しており、その差は歴然としています。(明るい選挙推進協会「第45回衆議院総選挙の実態」より)

 こうした数字だけをみれば、若者は政治や選挙に関心がないと思われても仕方がないかもしれません。若者の日常の態度や発言をみていればなおそう思うのかもしれません。

 ただ、私は一概に「若者は政治や選挙に無関心」と決めつけるのは安易な気がするのです。その根拠の一つとして、以下のデータを見てほしいと思います。

 このデータは「模擬選挙推進ネットワーク」という主に未成年に”模擬選挙”を体験させることを全国で推進している団体のものです。先の総選挙のこのネットワークが全国の学校20校において4629人を対象に行った模擬投票の結果を紹介したいと思います。

 これによると、一番注目してほしいのは実際行われた選挙の投票傾向と、未成年のこどもの模擬投票での投票傾向がほぼ一致しているということです。政党ごとに見てみましょう。

①民主党  実際の選挙:42.4%   未成年:39.3%
②自民党  実際の選挙:26.7%   未成年:31.1%
③公明党  実際の選挙:11.4%   未成年:4.4%
④共産党  実際の選挙:7.0%    未成年:7.1%
⑤社民党  実際の選挙:4.3%    未成年:6.9%
 -以下略-

とこのように、大人の行った実際の総選挙の投票傾向と未成年が模擬投票で行った投票傾向がほぼ一致するのです。投票理由についてもこの模擬投票ネットワークに紹介されている声については大人顔負けの考えが並んでおり、これをみただけでも、「若者=政治や選挙に無関心」と安易に決めつけるのはおかしいのではないかと思うのです。

 私が、若者の中に感じるのは”無関心”という言葉よりも、むしろ”あきらめ”という言葉のほうがまだ今の若者の現状を正しく表現しているのではないかと思うのです。”無関心”ということばには、”政治や選挙に関心を持たない若者が悪い”という暗黙のメッセージが込められているような気がします。しかし実際は若者が”無関心”のように見えるのは若者自身の責任などではなく、政治や社会が自分を守ってくれる存在ではないという不信感の積み重ねからくる”あきらめ”のせいではないかと思うのです。

 そう、なにより問われなければならないのは、現代の日本の政治が若者をまもるような存在ではなくなっているということ。それが選挙における若年層の投票率の低下の背景の本質だと思うのです。

 
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