SSブログ

~先輩教師からのメッセージ~「私らしい働き方を見つけて」を読んで

~先輩教師からのメッセージ~ 「私らしい働き方を見つけて」月刊クレスコ2016年4月号


月刊クレスコ2016年4月号に掲載されたこの記事。タイトルの通り、今春新しく教師の道を歩み始めた新しい先生に向けた先輩教師のメッセージが書かれたものでした。

この記事には、私には絶対書けないだろうな・・という点がいくつも含まれています。
今回、記事を読んでの感想を、なぜそう感じたかという理由を含めて綴っていきたいと思います。


1つ目に、このメッセージが新しく先生になった人たちの心境を深く慮っていることです。

冒頭の一文ですが、

「新しい先生方に伝えられることはまだ少ないのですが、どうぞ私を反面教師にして、今のご自身の頑張りを認めてくださいね。」

新入学生・新入職員への先輩からのメッセージの類のものはいろいろ読んできましたが、こういう一言から入る書き方をしたメッセージは私の記憶の中では初めてでした。
「頑張ってくださいね」「応援してます」という月並みの励ましではなく、新しい環境で初めて顔を合わすこどもたちを目の当たりにして、不安や緊張の最中にある新しい先生たちの心境を深く慮ってないと出てこないであろうこの言葉。この一言だけで、6年間の苦難と成長の軌跡が滲み出ているように感じました。


2つ目に、6年間の教師生活を乗り越えることができた理由として、子どもたちや同期の仲間や同僚の先輩などに対する感謝が、純粋に述べられているということです。

”純粋に”という言葉が正しいかどうかはわかりませんが、6年間の中で、自分が関わったこどもたちの成長や変化、また、同僚や先輩に対して自分がしてきたであろうことに対して、少しは誇ったり自慢したりしても良いはずなのに、そうした意図がメッセージからは全く見受けられませんでした。

これは裏を返せば、自身が心から”こどもたちや仲間たちに支えられてきた”という実感を持っており、かつこどもや仲間たちに対して、深い敬意を抱いているということの現れなんじゃないかと思います。


3つ目に、そうしたこどもたちや仲間に対する深い敬意こそが、こどもたちの成長や仲間同士が支え合う職場環境の醸成に繋がったのではないかということです。

 現代の公教育の現場は、予算と人員配置が圧倒的に不足している現状があり、特別支援教育の現場も、導入当時から、理念に対し予算や人員などの環境との乖離の問題が指摘されていました。
 そんな厳しい労働環境の中で、必然的に生じてしまうであろう一つのトラブルをきっかけに職員同士が責め合う関係に陥り、それがひいてはこどもたちとの関係悪化につながり、悪循環のスパイラルに陥ってしまう・・巷ではそんな経験ばかり聞かれるような気がします。

 だからこそ、日頃からこどもたちや仲間同士の関係の中で、いろいろ問題を抱えながらも、お互いに責め合うような悪循環に陥らず、相互に敬意をもって接していくということはなかなか思っていてもできることではないと思います。

 しかしそんな中で、こどもたちの成長を垣間見ることができたり、仲間同士で支え合う関係を築いてこれたのは、きっとこのメッセージには書かれていないけれども、子どもたちの成長や仲間から支えられた経験を日頃から感謝と敬意をもって受けとめ、それを子どもや周りの仲間に”還元していく”ような、そんな努力や実践を著者の先生が幾重にも積み重ねてきたんだろうなって思います。

以上3つの点は、思っていてもなかなか実践するのは難しいことで、それは私にとっても例外ではありません。これらを実践してきた著者の先生の思想や働き方には非常に学ぶことが多く、きっと新任の先生にとっても大きな励ましになるに違いありません。


 最後に繰り返しになりますが、今の職場環境は、教育現場だけにとどまらずどこも本当に大変だと思います。労働環境を良くしようと、各種組合による労働運動が最近また若者を中心に盛り上がっているのを感じますが、労働条件の切り下げを目論む人々とのたたかいの中で、一朝一夕で劇的に改善されるものでもありません。

 そんな中で、日々どういう工夫をしてどういう働き方をしたらよいのか。そういう先輩の経験を聞くことはとても有意義なことだと思います。

そんな中でこのメッセージに紹介されているような、ひとりで頑張りすぎてしまうのではなく、ほどよく周りを頼りながら生きていく。もっとこういうスタイルが多くの人に浸透していけば良いなって思います。
 無題.png
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。