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多様化した結婚のかたち①

【はじめに--多様化した結婚のかたち--】

最近ブログ見直したら、結婚関係の話題について触れていることが多いことに気づいた(笑)。今年に入ってから仲間内で結婚ネタが続いているからきっとそのせいかな・・。

 ところで、近年“結婚”に至る、もしくは結婚自体の形態が多様化しているような気がするのは私だけでしょうか。
例えば結婚式自体を考えてみても、今結婚式って昔みたいに地域ぐるみでやるような感じではなくて、式場に全部おまかせですよね。様式も神前・人前・仏前・教会式などたくさんあって、そもそも日本では行わず海外で行う方も増えています。最近ではウエディング姿を写真に撮って終わりという“フォトウエディング”というものも増えていると聞きます。それどころか、中には結婚式すら挙げず、婚姻届を役所に提出して終わりという入籍だけで済ますカップルも私の周りにもたくさん見受けられます。


【なぜ結婚の形態は多様化したのか?】

しかし、なぜこのように結婚を取り巻くあり方は多様化したのでしょうか。私の思いつく限りでは以下の2つの理由が挙げられると思います。

一つ目は、地域社会の解体に伴い、結婚式自体が民間業者に委ねられるようになったことです。昔は地域をあげて行っていた婚礼も、現在の人の移動が激しくなった日本の現状と近年問題になりつつある地域社会の住民の関係の希薄化により、地域において婚礼を行うこと自体に困難やその理由が見当たらなくなってきたために、次第に式自体を結婚産業の業者に委託するようになってきたということです。

 現在では結婚する夫婦が、お互いの出身地以外のところに居住しているケースが多いですし、例え地元に居を構えるにしても、少子化によって少なくなっている親類や、関係が希薄になっている地域共同体の中で婚礼を行うこと自体が困難なのが現状だと思います。加えて、民間の結婚式を取り扱う業者には種類やプランも豊富に取り揃えていますし、結婚式場なるところで式を行うことも一般的になっているために、極めて自然な流れでもあるといえると思います。

 二つ目に、なにより現在の日本における貧困化・格差社会化が結婚においても大きな影響を与えているのではないかということです。
 現在30歳を過ぎても未婚の方が増加しているという事実は改めて言うまでもありませんが、その理由の最も足るものは経済的問題です。この20年ほどで激増した不安定雇用の増加により安定した収入が不可能になった多くの若者にとっては結婚に始まるプロセスを歩みだすための経済的余裕はありません。そもそも経済的に理由だけにとどまらず、長時間労働や不安定な雇用状態に置かれている若者たちにとって、恋愛など私的に使える時間や費用すら余裕がない状態に置かれているというのが現状でしょう。

 そのため、収入が一定程度確保できているカップルについては海外で式を挙げるたりすることも選択できますが、収入のないカップルについては式自体が挙げられず、入籍だけに留めざるを得ないというケースもあるでしょうし、先行きが見えない生活への不安から入籍すらせず事実婚という形で過ごすカップルも少なくないと聞きます。かつてのように、みんなが同じような収入を得て、同じようなライフコースを歩んでいた時代には成立していた標準的な結婚に関するプロセスが、近年急激に進んだ貧困化と格差社会化、特に労働を取り巻く環境の変化により多様化しているというのが本当のところでしょう。

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