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働きつつ目指す場所・・

最近、「『こども時間』を届ける臨床道化師~瞬間を生きるこどもたち~」という本を読んでいます。(塚原成幸 日本クリニクラウン協会・編 / eMuオフィスエム)


今回の記事は、”臨床道化師”やこの本について紹介するのが目的ではないので、これらについては簡単に触れるだけにしておきたいと思います。

--本文より--
臨床道化師(クリニクラウン)とは、病院を意味する「クリニック」と道化師をさす「クラウン」を合わせた造語です。入院生活を送る子どもたちの病室を定期的に訪問し、子どもたちの成長をサポートしながら笑顔をはぐくむ道化師のことです。


入院生活を余儀なくされる子どもたちは、本来家族や地域、学校の友達などの関わりの中で様々な体験をし成長していくが制限され、子どもらしい生活を過ごすことが難しい状況に置かれます。
 そんな子どもたちにクリニクラウンは、遊びや会話による相互のコミュニケーションを通じて、子どもたちに驚きを届け、遊びの中から生まれてくる瞬間のひらめきや発見を大切にした生活をこどもたちに届けます。そんな中で、子ども自身の能動性を引き出し、人が人と出会い、かかわることを通じて子どもの成長を支えるのがクリニクラウンだということです。


・・・と解説はこの辺にしておいて、今回注目したのがこの本の著者でクリニクラウンでもある塚原さんのこの一言。この本で収録されている塚原さんへのインタビュー。インタビュア―から「塚原さんご自身の夢は?」と問われて塚原さんは以下のように答えています。


「私は、本来だれもが道化性やユーモアというものを持っていると信じています。だから、私の夢は、みんなが自分の持っている道化性に気づいて、やがて自分を含めて地球上から職業的な道化師がいなくなることです。」


とっても深い言葉だな・・って思いました。道化性やユーモアというものを誰もが持っているものと言い切れるまで人間を信頼していることがまずすごいと思ったし、ましてや道化性やユーモアという自分自身の専売特許とも言える特徴について、自分自身が優れていることをひけらかすくらいの気持ちがあってもいいはずなのに、それを「やがて自分を含めて地球上から職業的な道化師がいなくなればいい」と言い切ってしまうこの姿!

いやいや本当に頭が下がる思いです。

でも真面目に考えると本当に深いですよね。道化師もそうだし、普通、自分の仕事についての夢を聞かれたときに、それを明確に持っていること自体が稀じゃないかと思うんです。
 持っていても、たとえば「日本一の道化師になりたい」「人々の笑顔を生みだす道化師になりたい」切実なモノになると「道化師で食っていけるようになりたい」(笑)というものがせいぜいで、塚原さんみたいなところまで考えている道化師さん、道化師さんじゃなくてもそうした夢をもって働いている人はこの世の中にどれほどいるんだろうと思います。

夢というものが自分自身の生活や充実感だけに留まらず、他者の笑顔や承認を得るというところさえも越えて、世界中の人類の在り方といったところまで開かれ通じている。

こうした職業観・世界観・人間観をもって日々を働きつつ生きていく。きっと何気なく働き生きているだけの人生と比較するとどれだけ充実した人生なのだろうかと思います。

今自分も何気なく働き生きているだけですが、塚原さんの生き方には大きく感銘を受けました。

今を生きるのが精いっぱいな自分だけど、働きながら何を目指していこうかな・・そんなことを考えさせられました。
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