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傷を知ること②

以下引用
『感情のABC』(3・傷を知ること)岩川直樹・草土文化

『傷の鎖はもとをたどったところで、どこに行き着くわけでないし、攻撃的な衝動は何にぶつけたところで解消できるわけでもない。
それがほどかれるのは、傷ついた人がその思いを誰かと分かち合い、傷ついた自分を自分自身で暖かく受けとめ直すときだろう…
それはもっとも困難な人間的作業の一つだが、そういうプロセスをくぐってきた人は例外なく優しい。
傷つけられた体験がそうさせているのではない。その体験のあとに続く歳月の中で自分をどう受けとめ直してきたかがその人のやさしさを支えている…
人を「傷つけないこと」だけを過敏に意識するとき、私たちは人と触れ合い、関わりあう場面から撤退していく…そういう「ふれないやさしさ」に囲まれるとき、すでに傷ついて助けて欲しい人は確実に見過ごされることになる。
泣いている友達は自分に話しかけて欲しいかわからない。だからみんな話しかけない。
それは「傷つけないやさしさ」とは呼べても「傷をしるやさしさ」とは呼べないだろう。
傷の手当てをしようとすれば、相手に「痛い」と嫌がられるかもしれない。それを承知でするのが、傷を知ることなのだから』

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