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若者憲法集会に参加して(2)

☆イラクの現状と憲法9条の優位性

全体会については、様々な企画が用意されていましたが、高遠菜穂子さんの報告に限って書きたいと思います。

この日高遠さんは、イラクの現状と憲法9条を持つ日本の優位性について語ってくれました。


☆戦後最悪の状態に落ちいているイラクの現状


高遠さんによると、イラクの現状は、イラク戦争が始まった2003年以降で、最悪ともいってよいほどの状態になっているそうです。

イラクの状態は私たちが想像している現実とはまったく違った現実。今最大の話題の地域の一つになっているモスルという地域では、たとえばテロリストが町を占拠し始めてからは、戦闘が激化するどころかかつてないほど治安がよくなっていたり。またファルージャという地域では、支援のために何の武装もせず普通車で街に入った高遠さんは無傷で入れましたが、米軍と民間警備隊を率いて街に入った日本大使館員は、同行した米軍の1人が射殺されたそうです。

私たちの一般的な認識、テロリスト=危険、武装=安全という定式がなりたたない現実。そうした実態が数多く戦場には存在することを知りました。


☆テロリストの大半は”遺族”もうどうにもならない中で人々がすがった”憲法”


高遠さんの実感だと、現在イラクでテロ活動を行っている人々の大半は“遺族”。米軍に拷問虐殺された遺族がアルカイダ系の組織や自分たちでテロ集団を結成してテロ活動を行っているそうです。宗教対立や民族対立ではなく、“怨恨”が原因だからこそ、当のアルカイダですら手におえない実態。

しかし、イラクの主要な人の集まりの中で、今のイラクの収集つかない実態について誰もがあきらめの念をもっていながらも、そんな中でイラクの今後について真っ先に必要だと共通して考えられていたのが、なんと憲法を改正する必要性でした。イラクで独裁がまかりとおってしまうような今の憲法を変えないと、イラクの現状は改善しないと。

戦闘が泥沼化し、誰もが「もう解決策はない・・」とあきらめがちなほどの現状の中で人々が共通して考えていたのがなんと“憲法”だったのです。窮地に立たされているイラクの人たちが、それでもと最後にすがっているのが憲法だという事実。このことをしっかり抑えておく必要があるのかなと感じました。


☆憲法9条を持つ日本へのイラクの人々のイメージとは?


今の日本の自衛隊の海外派兵について、イラクとの関係についていうと、イラクはとても親日派の人々が多い国だそうです。イラクの建造物は、日本が高度成長の際に建築したものも多く、またヒロシマ・ナガサキの体験、敗戦から世界有数の経済成長を遂げた日本に対する親近感や尊敬の念はイラクの人々の中に広範に根付いているそうです。

だからこそ、イラク戦争後に日本の自衛隊がサマワに派遣されることが決定した際に、イラクでは日本が来ると聞いて、現地の人々はてっきり日本企業が進出してくるものだと思い、雇用を求めてサマワに引っ越してくる人もいたそうです。その後、進出しれくるのが企業ではなく自衛隊だということが明らかになった際も、「ナガサキ・ヒロシマの経験を持っている日本には軍隊はないと聞いている」。しまいには、「日本の軍隊は平和なはずだ」という風に考えるなど、イラクの人々にとっては、まさか日本が軍隊を率いて自分たちを攻撃対象にするなんてことは最後まで想像ができないようでした。


☆憲法9条を持つ日本だからこそできることがある


私がこの話を聞いていておそろしいなって思ったのは、今安倍首相がしようとしているのは、こうした親日派の多いイラクの人々、日本人を信頼してくれているイラクの人々を攻撃対象に、もしかしたら殺してしまうことになるかもしれない自衛隊を派兵しようともくろんでいる事実です。

高遠さんは、ナガサキ・ヒロシマの被爆体験がある日本、憲法9条を持つ日本だからこそできることがあるのではないか。そうした信念と実体験のもとで日本の優位性を、軍隊を派遣するということ以外で求めています。

私たちに今できること、こうしたイラクや憲法9条をもっている日本の価値についてもっともっと知っていく、知らせていくことが本当に求められているということを実感した全体会でした。

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