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「アンダンテ~稲の旋律~」を見て

先月の終わりに、数が月ぶりに映画を見に行きました。

「アンダンテ~稲の旋律~」という映画。ストーリーは以下の通りです。

(※公式HPより)
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映画の主人公「藪崎千華」は、母親の強い希望で幼い頃から音楽の道を歩むが、音楽社会の競争は厳しく次第に自信を失くしてゆく。やがて自分自身をも見失い登校拒否となり、大学中退を余儀なくされる。大学中退後、アルバイト生活に入るが、職場での人間関係がうまく作れず、仕事を転々とする生活を繰り返し続ける。そしてとうとう、一日中家に閉じこもるようになり、日毎の両親とのいざこざも絶えなくなってしまう。そんな自分を思いつめた千華は、千葉県の水田へ、「誰か私を助けてください。」と書いた紙切れをペットボトルに詰め、「心のSOS」として置いてくる。暫くして、この水田の持ち主でありペットボトルを拾った広瀬晋平から手紙が届く。その手紙の内容は真剣に千華のSOSに応えようとしていた。千華は、自分はどのような人間か、どうして他人と会うのが怖いのか、長い長い手紙を晋平に送った。こうして始まった千華と晋平の交流は、千華のひきこもり生活を徐々に変化させていくのだが・・


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この映画の原作である旭爪あかねさんの”稲の旋律”を私は大学時代に読んだことがありました。当時は、”ひきこもり”や”ニート”などの言葉がようやく世間に出始めたころだったでしょうか。当然、それらに対する世間的な関心高く、マスコミでもたびたび話題になっていたと思います。

しかし、関心は高いといっても、ひきこもりの方に対する理解はそれほど進んでおらず、ひきこもりの人を”異人種”または”甘えている存在”というように見る世間の風潮もまだまだのこっており、実際にひきこもっている方にとってはつらい時期であったのではないでしょうか。


そんな当時の風潮の中で、ひきこもりの方に対する理解を深め、その実態を世間に示すうえでこの作品の果たした役割は非常に大きかったと思います。


効率を最優先する企業競争が激化し、企業の労働者への過酷な労働強化による職場環境の悪化、そうした社会の中でなんとか子どもたちを生き残らせようと過度に期待をかける親、そしてそうした環境に苦しむ子どもたち、この映画にはそれらの今の社会の縮図が描かれていると思います。

そして何よりも、ひきこもりの当事者の内面、動けなさ、抱える葛藤のリアルさ、そして適切な関係や環境の中にあれば必ず回復すること、またその回復のきっかけとなった農業は今の社会の中でもっとも非効率な産業と呼ばれているものであったという事実。

改めて効率第一の社会の在り方自体をも問い直す必要性があるのではないかということもこの映画ではメッセージとして描かれているように感じました。


ぜひ多くのみなさんに見てほしい映画です。近くで上映をしていることがあればぜひ見に行ってほしいと思います。



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