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”テレビ”をとりまく状況

前のブログの続きになりますが、現在のテレビ業界の置かれている状況というのはとても厳しいものがあると聞いたことがあります。

 来年の2011年には、テレビについては地上デジタル放送に完全移行するということになっています。そのため、最近では、久しぶりに訪れたお宅に新しいテレビが置かれているような光景をたくさん目にするようになりました。

 ただこの”地上デジタル放送”については様々な問題が浮かび上がっています。

身近なところでは、「デジタル放送が映らない」という声がよく聞かれます。私がすんでいる田舎のようなところだと、まだ完全に電波が受信できる体制が整っていないらしく、そうした環境の整備面で山間部はかなり遅れていると聞きます。
 
 もともとこの”デジタル放送化”には発案時から様々な問題が指摘されていました。

1つ目は、各家庭が、なんの補助もなしにテレビの買い替えを強制されること。ここまで経済不況が悪化している中で、まだまだ高額の地上波デジタル対応のテレビを全ての家庭が買い替える余裕があるわけがありません。さらに近年では、一つの家庭が数代のテレビを保有していることもめずらしくありません。そういう家庭がもしすべてのテレビを買い替えるとしたら、数十万円の出費になることでしょう。

2つ目は、地上波デジタルへの移行するために、テレビ業界に多大な財政負担が生じるということです。地上波デジタルへの移行が決定してからというもの、テレビ局は長期に続いていた広告収入の減少という頭痛の種の他に、デジタル放送への移行のために多大な財政出費をしなければならないという問題を抱えることとなりました。

 以来、テレビ業界は血眼になって経費削減を徹底しています。その影響は、私たちの日常的にみる番組にも端的に表れています。いくつか例をあげたいと思います。

1つ目は、”再放送の増加”です。当たり前のことですが、新規の番組をつくるということはお金がかかります。よっぽど視聴率がとれる自信があれば話は別ですが、大概の放送局は新規の番組をつくるというリスクを追うよりも、確実に視聴率のとれる方法、つまり以前放送していて数字がとれていた番組を再放送するというような安全策をとるようになりました。

2つ目は、番組自体に対する製作費の削減です。具体的にいうと、大がかりなセットを作ったりするような番組やドラマを避けるようになったということです。ちょっと昔でいえば、”風雲たけし城”や”ドリフターズ”や”志村けんの大丈夫だあ”などのバライティ番組は、セットにかなり力を入れた番組でした。いまやそうしたバラエティは影をひそめ、”お笑いオンエアバトル””レッドカーペット”のような、ギャラの安い若手芸人をつかった番組が増えたのも、テレビ局の製作費の削減がかなり大きな影響を及ぼしていると思います。

あとは細かいところを挙げれば、アナウンサーがタレント化している状況や、ある番組の”制作秘話”などで一つの番組をいわゆる”リサイクル”するような状況も、全て同じような影響だと思われます。


国が地上波デジタルへの対応について、テレビ局にしっかりとした補助を行っていなければkのような状況に陥らなかったのではないかと思います。
 
 上記でも述べましたが、若手芸人が使い捨てにされたり、番組を支えるADなどにまで派遣労働が導入されている状況だったり、一つ前のブログで紹介したように”芸能人の内面”までが商品化されるような状況というのは看過できない問題であると思うし、これからのこの業界の存続がかかった大問題だと思います。

 女優の酒井若菜さんは、テレビというものについて「夢と希望を与えるもの」と述べたことがありましたが、私もその通りだと思います。テレビがこれからもそういう存在であり続けるためにも、国としてやらなければならないことがあるのではないかと考えます。
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